はじめまして、有限会社トラスト・ホームの荒木悦二と申します。
当社は埼玉県西南部で『地震災害から生命と財産を守る』を使命とし、
既存木造住宅の耐震改修を主たる事業としている設計事務所です。
なぜ私が、いまの仕事に取り組むようになったのか?
その理由について少しだけ話をさせてください。
平成7年1月17日午前5時46分に発生した「阪神・淡路大震災」では、
6,434人もの尊い命が奪われました。
阪神・淡路大震災当時、私はキヤノン販売(株)で半導体製造装置の営業をしており、出張で全国を飛び回り月の3分の1は家を留守にする生活でした。
阪神・淡路大震災のおよそ1ヵ月後に、M菱電機の兵庫県伊丹市の工場に出張した際に、工場へ向かうタクシーの中から「屋根を覆うブルーシート」「高架下や公園にある仮設住宅」「河川敷に積み上げられた瓦礫の山」など、テレビの向こう側にあった光景を目にした時に、『これは自分の身に起きても不思議では無い現実の世界なんだ』と衝撃を受け、そして『自分の留守中に地震が起きたら妻とまだ2歳の息子は大丈夫だろうか・・・』と、不安になりました。
精密機器の世界から建築の世界への転職
阪神・淡路大震災から3年の月日が流れ、平成10年4月に義父が経営する総合建設会社が、リフォーム部門を新たに立ちあげるというタイミングで、まったく畑違いの住宅リフォーム業界に転職をすることになりました。
日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(通称:木耐協)と、運命の出会い
その年の7月に行われた住宅リフォームフェアで、設立間もない「木耐協」と出会いました。
木耐協が勧める耐震事業は、『いつ大地震が起きても不思議ではないといわれている関東地方に住む人々に、“安心を与える”いや“命を守るといっても過言ではない”世の中に必要とされる仕事』だと確信し、翌月には木耐協に加盟し組合員としての活動を開始いたしました。
そして独立
木耐協に加盟した当初は既存住宅の耐震を取り巻く環境や評価基準なども整備されておらず、また世間の耐震補強に対する認知度もそれほど高いとは言えず、事業として成り立っているとはいえない状況でした。
このまま自分の想いだけで耐震事業を続けても義父の会社に迷惑がかかると判断し、平成12年の8月に木耐協の活動に専念するために、独立して有限会社トラスト・ホームを設立しました。
その後 平成12年には、阪神・淡路大震災を受け建築基準法が改定され、また平成16年には耐震診断法が改定されるなど、評価方法や補強方法が確立されてきました。
また、平成12年の鳥取西部地震から平成20年の岩手・宮城内陸地震まで毎年のように、人的被害のある地震の発生を受けて防災に対する関心の高まりや、平成18年には耐震補強工事に対する所得税や固定資産税の優遇政策の導入など 耐震を取り巻く環境が徐々に整備され、独立後は多くのお住まいの耐震改修をさせていただくことができました。
これから
「今後30年以内にM7級の地震が発生する確率が70%」と公表されてから3年が経過し、関東地方の地震の危険性は徐々に高まっていますので、これからも1軒でも多くの方に安心を届けるために、既存木造住宅の耐震補強活動を続けてまいります。
また平成18年に国の住宅政策はいままでの“量の確保”から“質の向上”に変わりました。
まだまだ十分に認知されていませんが、一定の性能を満たす中古住宅の場合、①現行耐震基準を満たしていると受けられる「住宅ローン減税」、②耐震基準や耐久性等の基準を満たしていると利用できる「住宅金融支援機構のフラット35」など、購入者が恩恵を受けることができる様々な制度があります。
中古住宅を購入される一人でも多くの方が、質の高い住宅を購入できるよう、また優遇制度の恩恵が受けられるよう、売買物件の調査や証明書の発行業務などにも積極的に取り組み、中古住宅の流通活性化の環境整備にも力を注いでまいります。
有限会社 トラスト・ホーム 二級建築士事務所
住まいの「安全」と「健康」のアドバイザー
荒木 悦二