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耐震診断結果

木造住宅の耐震性を左右する大きなポイントは2つあります。

1つ目は「壁」です。


地震の時に、揺れが大きいのか小さいのかは、壁の量とバランスによって決まります。
横揺れの時に、建物が揺れないように踏ん張ってくれるのが、壁の中に入っている“筋交い”という斜めの構造材です。
この“筋交い”が「多い」または「太い」方が、地震の時に揺れ難いということになります。
また全体の筋交いが多くても、南面は窓ばかりで壁は北面に集中しているというような場合は、北側は揺れが小さいけれど南側は大きく揺れるといったねじれ現象がおきますので、「南面」対「北面」そして「東面」対「西面」の配置バランスも併せて重要になってきます。
<参考>模型住宅による木造住宅の耐震化対策のポイント 3-1筋かいの有無
<参考>模型住宅による木造住宅の耐震化対策のポイント 3-3平面のバランスの良し悪し
※名古屋大学福和研究所HPより

2つ目は「柱の接合」です。


木造住宅は建物の足元である1階の柱が、土台から抜けてしまうことで倒壊します。
とくに直下型地震では最初に激しく上下に揺さぶられたときに、釘やカスガイなどの弱い接合状態の柱は簡単にすっぽ抜けてしまいますので、柱が土台から抜けないようにしっかり固定することが重要です。
<参考>模型住宅による木造住宅の耐震化対策のポイント 3-2補強金物の有無
※名古屋大学福和研究所HPより

「壁」と「柱の接合」の関係


大雑把にいってしまうと「壁の量とバランスで、揺れが大きくなるか小さくなるかが決まり」「柱の接合強度で最終的に倒壊するかしないかが決まってくる」といっても過言ではありません。

  • 壁は量が少ないまたバランスが悪い、そして柱の接合も釘程度と弱い建物は、揺れが大きくて柱も抜けやすいので、倒壊する危険性が極めて高い状態です。
  • 壁は量が多くてバランスも良い、しかし柱の接合が弱い建物は、揺れは少ないけれども、縦揺れで柱が抜けてしまう危険性がある状態です。
  • 壁は量が少ないまたバランスが悪い、しかし柱が適切な金物で固定されている建物は、揺れは大きいので破損はするかもしれないが倒壊は防げる可能性がある状態です。
  • 壁は量が多くてバランスが良い、そして柱が適切な金物で固定されている建物は、揺れは少ないので破損の可能性は低く、倒壊する危険性もほとんどない状態です。

耐震診断結果報告書


旧診断では実際の構造が一切評点に反映されないという欠点が、新診断では改善されました。
2004年までの旧診断では、壁量という考え方で筋交いや柱の固定が釘でも金物でも同じ評価でしたが、新診断では、壁強さという考え方で筋交いや柱の接合方法を加味した評価に改められました。
主として、この壁強さ壁配置バランスから耐震性を判断するのが、こちらの耐震診断書です。

耐震診断結果報告書

上部構造の評価

  • 壁強さP(kN)は、建物の床面積と屋根の重さなどから求めた必要耐力Qr(kN)に対して、上回っていればOK、下回っていればNGとなります。
  • 壁配置バランス(配置E)は、現行の建築基準法(偏心率30%以内)を満たしていれば1.0点、満たしていなければ状態によって~0.3点まで変動する低減係数です。
  • この強さP(kN)配置Eの数値から、建物のX方向とY方向のそれぞれに対して、全体的な揺れは大きいのか小さいのか、またねじれを伴う揺れはあるのかないのか、つまり建物が南北方向の地震に対してどう揺れるか?また東西方向の地震に対してどう揺れるか?ということが解ります。
  • 上の建物の場合は、X方向は「配置バランスは1.0点と良いが、壁強さが必要耐力を約10%下回っている」、またY方向は「壁強さは必要耐力を約10%上回っていているが、配置バランスが0.5点と悪い」
    よって、東西方向の地震動に対しては「全体的に大きく揺れる」、また南北方向の地震動に対しては「壁の少ない側が、大きくねじれるように揺れる」ということが解ります。

 

関連リンク
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